家庭風呂の普及を主な要因として、銭湯の数は大幅に減少している。総務省統計局(2011)によると、2008年時点で日本の家庭風呂普及率は95.5%。家風呂が一般的でなかった時代、銭湯は日本人の生活に欠かせない存在であり、1968年には全国で17,999軒と最盛期を迎えた。しかしその後は減少の一途をたどり、2022年には約1,865軒にまで減り、半世紀で約90%もの減少となっている(TSR, 2022)。
東京都においても同様の傾向で、1968年に2,678軒あった銭湯は、2015年には633軒にまで減少した(町田, 2016)。特に2011年以降の10年間で約300軒が閉業し、現在も毎年減少が続いている(図1参照)(東京銭湯, n.d.)。
家庭風呂の普及に加え、入浴料金の上昇も利用者減少の一因である。現在、東京都内の銭湯入浴料は一律550円だが、昭和末期の約35年前には300円未満であった(東京銭湯, n.d.)。このように、かつて日常生活の一部であった銭湯は、徐々に その役割や社会的意義を失いつつある。さらに、利用者の減少に加え、光熱費の高騰や経営者の高齢化、後継者不足といった複合的な要因が経営難を招き、廃業のペースを加速させている(佐藤, 2006, p. 282)。
図1:東京における銭湯数の減少
出典:東京都浴場組合(Tokyo Sento)(n.d.)のデータをもとに筆者作成

先行研究(例:Butler, 2005; Wynn, 2014; Clark, 1994; Leutner, 1985)によると、銭湯は歴史的に宗教的儀礼や治療行為、衛生、娯楽など、多様な社会的機能を担ってきた。なかでも特に重要なのは、共同入浴という特徴を通じて、銭湯が日本社会における人々の集いの場として機能してきたことである。しかし、1960年代後半以降、銭湯の数は減少し続けており、地域社会におけるコミュニケーションや社会的交流の拠点としての役割は徐々に失われつつある(Clark, 1994, p. 76)。
本稿では、「つながり(connectedness)」と「帰属意識(a sense of belonging)」という二つの概念を用いる。これらはしばしば同じような意味でつかわれるが、実際には異なる性質を持っている。「帰属意識」とは、親しみや安心感、快適さといった感情を抱ける象徴的な空間に対する、個人の情緒的な愛着を意味する(Robinson & Truscott, 2013)。このような空間には、たとえば家族や職場といった場があり、契約や会費、入会の儀礼などを通じて制度的に成り立つこともある。ただし、帰属意識は必ずしも制度化を前提とするわけではなく、また、制度があるからといって自動的に生まれるものでもない。帰属意識は、個人のアイデンティティと深く結びついた、ごく主観的な感覚である。一方で「つながり」は、社会的なネットワークや組織への参加を指し(Crisp, 2010)、人や場所との関係の広がりや深さを表す(Robinson & Truscott, 2013)。つながりがあるからといって、そこに必ずしも帰属意識における情緒的な愛着が伴うとは限らない。さらに、「つながり」と「帰属意識」は共に存在し得るが、常に一方が他方を生み出すわけではなく、独立して存在することもある(Crisp, 2010)。
以上を踏まえ、本稿では人と人とのつながりや帰属意識を主題とし、個人が社会的ネットワークや組織とどのように関わり、また、帰属意識がいかにして育まれていくのかを考察する。
UmbersonとMontez(2010)によれば、こうした社会的関係は個人の幸福や健康に寄与し、社会生活において重要な役割を果たしている。また、Crisp(2010)は、多くの人が本質的に「どこかに属している」という感覚を求めており、それは人間関係や場所、あるいは特定の状況を通じて、多様なかたちで経験されると述べている(p.124)。
しかしその一方で、前述のように銭湯の衰退とそれに伴う銭湯の社交的機能の喪失、加えて1990年代初頭のバブル経済崩壊以降に続く社会構造の変動のなかで、現代日本では人と人とのつながりや帰属意識そのものが、徐々に希薄化しつつある。
Allison(2015)によれば、個人の帰属意識の低下は、バブル期以降の経済的混乱に伴う家族形成の減少や職場の構造変化と深く関係している。日本における「良い人生」の概念は、伝統的に「家族」を中心に構築されており、結婚をし家族を持つことが社会的地位や社会への帰属の重要な指標とされてきた。しかし、1990年代初頭のバブル崩壊を契機とする経済的混乱と、それに続く新自由主義的政策の台頭は、雇用の不安定化を招き、個人に将来への不安をもたらした。その結果、家族を持つこと自体がリスクとみなされるようになり、結婚や家族形成から距離を取る傾向が社会全体に広がっていった。結婚率の低下や、家族を持つ人々・安定した雇用を得る人々の減少に伴い、社会から切り離されていると感じる個人が増加し、帰属意識の喪失という現象が顕在化している。
また、終身雇用や雇用の安定を前提とした「日本的雇用慣行」の衰退も、企業に対する忠誠心を弱め、職場を通じて形成されていた帰属意識の低下につながっている。かつては、職場も個人にとって帰属意識を育む重要な場であったが、現在はその機能を果たすことが難しくなっている(Allision, 2015)。
さらに、コロナウイルスの影響により、社会的ネットワークや組織への参加といった社会的つながりも大きく減少した。とくにリモートワークへの移行を通じて孤立感が一層強まり、孤独や人間関係の希薄化、そして帰属意識の低下は、現代日本社会を特徴づける要素となっている。
このような背景のもとで進む銭湯の衰退は、社会基盤の揺らぎを象徴しており、多くの人々が社会的関係を築くための重要な場を失いつつある、あるいはすでに失っていることを示唆している。
こうした状況を踏まえ、本稿の目的は、現代の東京における銭湯および銭湯関連施設が、家族や職場といった従来の社会的枠組みに代わり、人々のつながりや帰属意識を育むための代替的な場として、いかなる役割を果たしているのかを明らかにすることにある。
本研究における「銭湯」は、公衆浴場法(昭和21年勅令第118号)に基づく「一般公衆浴場」として定義される。具体的には、「地域住民の日常生活において保健衛生上必要なものとして利用される施設で、物価統制令(昭和21年3月勅令第118号)によって入浴料金が統制されているいわゆる『銭湯』」を指す(厚生労働省, n.d.)。
また、本稿では、調査対象とする銭湯施設がいかにして社会的なつながりや帰属意識を育んでいるのかを記述するにとどまらず、「共存(copresence)」、「一緒にいる孤独(alone-together)」、「サードプレイス(third place)」、「居場所」といった理論的枠組みを手がかりに議論を展開する。銭湯という空間がつながりを促進し、個人の帰属意識をはぐくむうえで、いかなる役割を果たしているのかを、これらの枠組みを通じて検討する。
研究対象とするのは、東京都内に位置する三つの事例である。具体的には、狛江市の「狛江湯」、墨田区の「電気湯」、および杉並区にある銭湯「小杉湯」に隣接し連携して運営されているシェアスペース「小杉湯となり」である。
銭湯の衰退が進行する中、これら三つの施設は、いずれも従来の入浴サービスにとどまらない「付加価値」を提供している。ここでいう「付加価値」とは、公衆浴場法が掲げる「地域住民の日常生活における保健衛生」(厚生労働省, n.d.)の向上という役割を超え、入浴以外の目的で人々が施設を訪れる動機となるような要素を指す。本研究では、特にこうした要素に着目し、それを「付加価値」と定義する。具体的には、各種イベントの開催、デザイナー建築による新たな美的価値の創出、サウナや飲食スペースの併設、さらにはシェアスペースやコワーキングスペースの提供などが含まれる。
銭湯の数が減少し続けるなかで、こうした銭湯体験の再構築は、現代社会のニーズに応答する試みとして位置づけられる。変容を遂げた新たな銭湯のあり方は、従来の社交空間としての機能を単に再活性化するだけでなく、個人のつながりや帰属意識を新たなかたちで促進する可能性を示している点でも注目に値する。上述の三つの銭湯施設が提供する付加価値と銭湯体験に着目し、それらが現代社会における社会的課題にいかに応答し、人々のつながりや帰属意識の形成にどのように寄与しているのかを考察する。
つながりの希薄化や帰属意識の低下といった課題が日本社会全体において深刻化するなかで、銭湯のようなミクロな社会空間が、こうした社会的関係の再構築において重要な役割を果たし得る。しかし、現代の銭湯施設がこのような社会的課題にいかに応答しているのかを検討した先行研究は多くない。
本稿が設定する問いは次の通りである。すなわち、家族や職場といった従来の社会的枠組みが衰退し、つながりや帰属意識が低下する現代において、銭湯という空間が、人々にとってつながりや帰属意識を見出すための代替的可能性をどのように提供しているのか、である。
研究方法
本研究は、二つの期間に分けて実施されたエスノグラフィー的フィールドワークに基づいている。第一期は2023年11月から2024年1月までの三か月間、第二期は2024年9月から12月までの四か月間である。第一期には、東京都墨田区に位置する銭湯「電気湯」を主な調査対象とし、東京における現代の銭湯体験の全体像を明らかにすることを目的とした。具体的には、銭湯の利用者層、社会的機能、そして持続的な経営に関わるビジネスモデルを中心に観察・記録を行った。収集されたデータは、2024年1月に上智大学の「Urban Space Studies」クラスにおいて執筆された研究論文の基礎資料として活用された。
本稿は、第一期における研究成果を出発点としつつ、そこから得られた知見をもとに、現代の銭湯が持つ社会的機能、ならびに人々の社会的な幸福や健康の増進に向けた実践に焦点を当てて論を展開するものである。
両調査期間においては、対面によるインタビューと参与観察を組み合わせたフィールドワークを実施した。インタビューは通常1時間から2時間半にわたり行われ、対象者は、「狛江湯」のオーナーである西川隆一氏、「電気湯」のオーナーである大久保勝仁氏、そしてシェアスペース「小杉湯となり」の店長である白井杏実氏の三名であった。すべてのインタビューは、事前にインフォームド・コンセントを得たうえで録音し、後に書き起こしを行った。電気湯に関しては、大久保氏に対して第一期および第二期の各期間中に一回ずつ、計二回のインタビューを実施した。第二期のインタビューは、前回の内容を踏まえたフォローアップとして位置づけられる。
「小杉湯となり」は会員制シェアスペースとして運営されており、研究者は2024年11月20日より会員登録を行い、現地での参与観察を実施した。なお、第二期フィールドワークの初期段階では、銭湯施設「小杉湯」のオーナーへのインタビューも試みたが、日程調整がつかず実施には至らなかった。
以上の経緯を踏まえ、本研究では、電気湯・狛江湯・小杉湯となりの三施設を中心に事例分析を行っている。ただし、「狛江湯」と「電気湯」の二つの事例との比較分析を深化させるとともに、シェアスペース「小杉湯となり」を含めた「小杉湯」全体の構造や機能を把握するため、銭湯「小杉湯」における参与観察も継続的に実施した。最終的な分析は、これら三施設から得られた実証的知見に加え、各施設に関する既存文献やメディア報道等を参照しつつ、多角的に補完・発展させている。
三つの研究対象施設と それぞれの特徴的な付加価値:
(1)狛江湯、(2)電気湯、(3)小杉湯となり
(1) 狛江湯
最初の事例研究対象である「狛江湯」は、東京都23区外の狛江市に所在し、世田谷区西側に隣接する地域に位置している。1955年に西川隆一氏(46)の祖父母によって開業され、現在は西川氏が三代目としてその経営を担っている。西川氏は中学生の頃から狛江湯でアルバイトとして働いて いたが、当時の経営は母方の四姉妹によって行われていた。
西川氏の実家はもともと葬祭業を営んでおり、西川氏自身も19歳か20歳の頃にその家業を引き継いだ。その後、葬祭業に従事しながら多摩美術大学に進学・卒業し、卒業後は家業を離れて制作会社に就職。しばらくは同社で勤務を続けていたが、のちに狛江湯に戻り、2022年に正式に経営を継承してオーナーとなった。

図2:狛江湯のオーナー
西川隆一さん

図3:狛江湯の外観
葬祭業に従事していた当時、西川氏は日々死や喪失と向き合う環境に身を置いており、それを精神的に大きな負担と感じていたという。そうした経験を通じて、「自分で生み出すことをしてみたい」という思いが芽生え、狛江湯を継承する以前から、銭湯を基盤とした新たな場づくりに関心を抱くようになった。
オーナー就任後は、従来の入浴サービスにとどまらず、付加価値のある空間づくりを志向し、さまざまな取り組みを展開している。狛江湯の最大の特徴は、現代的な建築デザインにある(図3および図4参照)。2022年から2023年にかけて全面的なリノベーションが行われ、建築設計はスキーマ建築、グラフィックデザインは長嶋りかこ氏が担当した。
リノベーションの一環として、若年層を中心に高まるサウナ人気にも対応し、ロウリュサウナが新設された。また、カフェ/バー「SIDE STAND」が併設されており、クラフトビールや軽食の提供を通じて、入浴を目的としない来訪者も歓迎する開かれた場となっている。さらに、狛江湯では定期的なイベントの開催を通じて、地域住民や多様な来訪者との交流を促している。たとえば、落語会やランニングイベント、飲食店・小売店とのポップアップコラボレーション、さらには食品・雑貨・体験型企画を含む小規模マーケット「縁側市(えんがわいち)」など、銭湯空間の多目的な活用が積極的に試みられている。
図4:狛江湯の脱衣所外にある
休憩スペース
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図5:リノベーション前の
狛江湯の間取り図
(2) 電気湯
第二の事例研究対象である「電気湯」は、東京都23区東部に位置する墨田区・京島地域にある銭湯である。電気湯は1922年に、現オーナー・大久保勝仁氏(31)の曽祖父によって創業された。大久保氏は家業の四代目にあたり、2019年、26歳のときに祖母(3代目)から経営を引き継いだ。
銭湯を継ぐ以前、大久保氏は国連に勤務し、SDGs関連の政策立案に携わっていた。しかし、祖母が電気湯の閉業を検討していることを知り、地域の人々のつながりの場が失われることは望ましくないと考え、事業の継承を決意した。
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図6:電気湯のオーナー
大久保勝仁さん

図7:電気湯の外観
電気湯における入浴サービス以外の最も顕著な付加価値は、イベントの開催である。大久保氏が経営を引き継いだ2019年以降、定休日である土曜日を中心に、さまざまなイベントが定期的に実施されるようになった。銭湯空間を活用し、これまでにDJイベントやライブパフォーマンス、落語、トークイベントなど、多様な催しが行われている(図8参照)。また、電気湯のスタッフの数名は「洋洋蕩蕩(ようようとうとう)」という連載小説を執筆しており、これは毎週更新され、銭湯内の壁面に掲示されている。
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図8:電気湯にて、
銭湯空間を活用したライブパフォーマンスの様子

図9:電気湯の脱衣所から見た
浴室の眺め
(3)小杉湯となり
小杉湯となり(以下、となり)は、他の銭湯施設には見られない独自の取り組みとして注目される。多くの銭湯が「銭湯空間を活用する」ことで付加価値を提供しているのに対し、となりは、杉並区高円寺にある銭湯「小杉湯」に隣接する別棟に設けられた、会員制のシェアスペースである。現在のオーナー・加藤優一氏を中心に、小杉湯の常連客10名によって2020年に設立された。
となりが位置する建物は、もともと風呂なしのアパートであり、小杉湯が所有していたものの、当初は解体予定であった。小杉湯は1933年創業の老舗銭湯であり、現在は3代目の平松佑介氏が経営を担っている。2017年、平松氏と当時小杉湯の常連であった加藤氏との何気ない会話をきっかけに、「銭湯ぐらし」というプロジェクトが構想され、このアパートを1年間活用する試みが開始された。このプロジェクトでは、加藤氏を含む10名の小杉湯常連客がこのアパートに居住し、家賃および銭湯利用が無料とされる代わりに、それぞれの専門性や得意分野を活かしながら、小杉湯と観光・音楽・その他の活動とをつなげるかたちで貢献するというものであった(加藤, 2023)。
この取り組みは成功を収め、小杉湯の来訪者増加にも寄与したことから、平松氏との協議の末、「銭湯のある暮らし」がもたらす豊かさを広く共有することを目的に、10名のメンバーがシェアスペース設立を決意するに至った。こうして、2018年にはプロジェクトを法人化し、「株式会社銭湯ぐらし」として登録。2020年にはシェアスペース「小杉湯となり」が開設された。現在の店長は白井杏実氏が務めている。
となりは会員制のシェアスペースとして運営されており、会員は小杉湯を無料で利用できる(ただし回数制限あり)。一方で、非会員にも開かれた仕組みがいくつか存在する。たとえば、週末限定で営業するカフェ「となり喫茶」や、有料のドロップイン利用によって、週末のみシェアスペースを非会員にも開放している。また、テイクアウト専門の「となりスタンド」では、クラフトコーラなどの飲料や軽食が販売されている。さらに、となりの建物前のオープンスペースを活用し、屋台イベントやフードマーケットなども不定期に開催されている。
現在、株式会社銭湯ぐらしは高円寺にある別のアパートや、となり会員向けのサテライトシェアスペースも運営しており、「銭湯のある暮らし」というコンセプトの普及に向けた取り組みを継続している(加藤, 2023)。
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図10: 小杉湯となりの店長
白井杏実さん
図11:小杉湯となりの外観
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図12:小杉湯となりに隣接する
小杉湯の外観

となりは、3階建ての施設である。各階は会員が自由に利用可能であり、正式な名称は存在しないものの、運営会社では以下のように各フロアを非公式に呼び分けている。
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1階:「リビングのような場所」中央には大きなダイニングテーブルが設置され、壁沿いにも複数のテーブルや椅子が配置されている。また、会員が自由に使用できるキッチンが備えられている点が特徴である(図13参照)。
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2階:「書斎のような場所」畳敷きの空間であり、窓際にはカウンター席、中央にはちゃぶ台が設けられている。作業や勉強に集中するための静かな環境として機能している(図14参照)。
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3階:「ベランダ付きの個室」6畳の個室で、バルコニーが併設されている。会員はこの空間を、オンラインミーティングや個人的な時間を過ごす場として利用できる。この部屋は予約制での利用が可能である(図15参照)(加藤, 2023)。
図14:2階「書斎のような場所」
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図15:3階
図13:1階「リビングのような場所」
手前にダイニングテーブル、奥にキッチン
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以下、本稿の構成を示す。第二章および第三章では、銭湯が歴史的に果たしてきた社会的機能について文献レビューを行い、あわせて現代日本社会におけるつながりや帰属意識の希薄化について論じる。第四章では、本研究において用いる理論的枠組みを整理し、それらが本稿の研究対象である銭湯空間におけるつながりおよび帰属意識の促進とどのように整合するかを検討する。続く第五章から第七章では、各研究対象施設に関するフィールドワークの結果を論じ、それぞれの分析を行う。第八章では本研究の結論を提示し、第九章では研究上の限界および今後の課題について論じる。


